■途上国の子どもに教育の機会を提供し、オンナコドモを自由に!
ルーム・トゥ・リード(RtR)のミッションは、シンプルだ。
「世界には今、読み書きが出来ない人が7億人、学校に通えない子どもたちだけでも1億人にのぼる。
教育の欠如は、貧困の連鎖を生むだけでなく、母子の健康に悪影響を及ぼし、乳幼児の死亡率を高め、子どもや女性の人権侵害の原因にもなる。
開発途上国の経済を発展させ、母親と幼い子どもたちを伝染病から守り、少年兵少女売春などの子どもの人権侵害を無くし、女性を社会的に解放するためには、教育、特に初等教育の普及が最も有効だ。
ルーム・トゥ・リードは、アジア、アフリカの開発途上国で現地のNGOや村の人々などのコミュニティと協力して、学校や図書館などの教育に必要な施設を建設している。
また、現地語や英語の図書を寄贈したり、少女が学校に通えるようにするための奨学金を提供するなど、さまざまな方法で教育の機会を提供している。
教育をとおして子どもたちに提供する。
それが、ルーム・トゥ・リードのミッション」
(出典:ユネスコ)
全員ボランティアで運営されているRtRの東京タプターのサイトによると、RtRは2000年の設立以来、2010年4月までに、410万人以上の子供に教育の機会を提供してきたという。
1,129校の学校建設、10,000ヶ所の図書室・図書館の設立、740万冊の現地語児童書発行(433タイトル)、433万冊の英語児童書を、8,944名に女子教育支援プログラムを提供するなど、活動履歴は数値として最新のものが公式サイトで公表されている。
明確に数字を見せれば、チャリティやファンドレイジング・パーティでお金を出す人も安心して自分の投資の効果を確かめられる。
そうした戦略的なファンドレイジング(資金調達)の仕組みや、この活動を始めた創業者のジョン・ウッド氏が自伝本を出版したり、Youtubeなどでも動画を公開されているので、是非参照されたい。
■日本でも展開が拡大されているカジュアルなチャリティ・パーティ
東京在住のアメリカ人でRtRのボランティアの一人、ゲイリー・ブレママン氏は、2009年2月から「ビアーズ・フォー・ブックス」(愛称B4B)というパーティを都内で開催している。
これは、みんなが集まった店で飲んだビール1杯分の料金のうち、100円がRtRに寄付される仕組みだ。
飲めば飲むほど社会貢献になる。
そこに共感した市民たちが、最近では自発的にB4Bスタイルのパーティを始めるようになってきた。
8月24日にはNPO法人CANPANセンターが六本木の農業実験レストラン「六本木農園」でB4Bを開催し、約200名を動員。
239杯分も集められた資金は、途上国の現地スタッフ自身が編集・出版する子ども向け図書の制作費になる。
一冊の制作費が約100円なので、一杯飲むだけで一冊がプレゼントされた計算だ。
10月19日(夜6~11時)にも同じ店でB4Bが開催される予定だ。
また、10月8日にも神奈川県横浜市のバー「フルモンティ」で夜6時からB4Bが開催される。発案者のブレママン氏は、B4Bについて「三方良し」なイベントと言う。
「この100円は店側が負担するが、店にとっては普段よりも多くの集客が期待できるし、新規の顧客開拓というメリットがある。さらに店の従業員たちも楽しく働けて、仕事への誇りにもつながる。参加して楽しく旨いビールを飲める、会場にとってもプラスとなり、そして何より途上国の子どもたちに本をプレゼントすることができる」
(CANPANセンターのホームページでのインタビューより)
B4Bにビールメーカーが参加すれば、もっとビールが売れるだろう。
現場の営業マンたちが本社に提案すれば、全国区のイベントに育つ可能性さえある。世の中、社会貢献なら人が集まる時代になりつつある。
公益を考え、実行すること。
それが不況を切り開く突破口かもしれない。
文責:今一生
参考: 『マイクロソフトでは出会えなかった天職』(ジョン・ウッド著/ランダムハウス講談社)
※この原稿は、2010年9月末時点のものです。
最新情報は、下記の公式サイトでご確認ください。
※社会起業支援サミット2010 in TOKYOは、2010年10月3日開催。
ご予約・お問い合わせは、下記ブログ記事へ。
http://ccc-action.blogspot.com/2010/09/2010-in-tokyo_11.html
予約時に上記へのリンクをtweetされた方には、サミット出演の社会起業家インタビューをまとめたPDFデータをメールで後日、送ります(下記は短縮URL)。
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